2009年05月13日 - 母の日にちなんで
福島県白河市 斎須歯科医院(さいすしかいいん)
院長の斎須幸司です。
5月10日(日曜日)は母の日でした。
皆さんはどのように過ごされましたか。
まだまだ5月になったばかりだというのに、暑い日が続きましたので、
私は、母に可愛い麦わら帽子をプレゼントしました。
さて、昨日、訪問診療をしました。
(訪問診療は、患者さんのところに私が行って診療をします。)
その患者さんは90歳を過ぎた女性です。
脳梗塞の後遺症で左半身が麻痺して動きません。
また、ご高齢ですので足腰も弱っています。
日常は、車いす生活です。
義歯がピッタリしないということで治療をしましたが、
彼女 Sさんは、
「母の日にちなんで川柳を創作した」
と、私にその句を披露して下さいました。
母の日は
亡き母の歳
数える日
おおよそ俳句や短歌、川柳といったものに教養のない私ですので、
この句がどのような評価を受けるものなのかは、分かりませんが、
90年以上という時を過ごし、一人では起き上がれないという体のハンディを持っていても、
今なおこのように句を創る、しかも母を想う句を創る。
私は、目を潤ませて感動して、
少し耳の遠いSさんに、
力いっぱい拍手をしました。
そうしたら、とっても喜んで、満面の笑顔でした。
そして、彼女にいろいろとお話しをしてもらいましたが、
不自由な左半身についてこんなふうに話していました。
「左手はちっとも動かないから、
夜に寝る時には (左手が)一人でいるのが可哀相で、
この動く方の右手で、
(左手を)ヨイショッと持ち上げてお腹の上に上げてやるんです。
そうすれば一人でなくなるので。
赤ちゃんの添い寝みたいにしてやるんです。」
不自由な自分の体と付き合っていく、優しさ。
完璧にSさんに泣かされました。
心暖かくしていただきました。